こちらの記事で書いていた ETech 2009での講演はおかげさまで無事終了しました♪
遅くなりましたが、ETech 2009 での講演資料をSlide Share にアップしました!
*****Thank you!*****
かつSFではお家にも泊めて頂いたりと大変お世話になりました。本当にありがとうございました。Thank you Lisa!!
またカンファレンス中は超忙しいのに聞きに来てくれて、
面白かったからまたSFでショートバージョンの講演をやらないかと声をかけてくれました。Thank you Brady!
最初は「アスキーアートについてよろしく」ってことだったのに、随分濃い内容になってしまいました(笑)
●アメリカでのミクやニコニコ等の知名度がよくわからないということもあって
渡米後にはIT系に全然詳しくない不動産やさんをやっている友達にプレゼンを見てもらったり
超ギークで知られるブロガーの友達に「VOCALOIDって知ってる? 」「初音ミク知ってる?」
「ニコニコ動画知ってる? 」等ヒアリングし、sanity checkをしていました。
「そんなん知ってるよ今更。。」という事態も「カッ飛びすぎて意味わかんない!」という事態も避けたかったので。。。
Thanks for everyone who helped :)
●実は同じ時間にAdobeのCTO、Kevin Lynch氏の講演が入っていました(><)
小さな部屋とはいえ100人ぐらいのキャパだったので誰も来なかったらどうしようとドキドキしていたのですが
ランチ場所やスピーカーラウンジ等で会う人に声をかけまくった結果
みんな来てくれてほぼ満席でほっとしました :) Thank you for everyone who came to our session!
●実はEtechの前に色々用事や仕事を入れた結果2週間ぐらいの滞在になり、
改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!!
*****Contents*****
「動画ないの?」と聞いてくださる方も何人かおられたのですが、
自分撮りする余裕もなく、残念ながら動画はありません(><)
というわけでちょっと長くなりますが、せっかくなので講演内容を日本語で追っておきたいと思います♪
ちなみにスライドは多いですが紙芝居形式なので私のスピーチ部分は15分でおさめてます。
ということだったので一枚目のページは真っ黒で、そこから"Demystify"する感じにしました。
タイトルスライドには、
Akio0911さんのTwitterプロフィール画像の使用をご快諾頂き、使わせて頂きました。
つかみはばっちりです♪ Akioさん、ありがとうございました!
まずは仮説の説明から。
アメリカで昨今紹介されている日本のギークカルチャーですが、突然出て来た物ではなく
昔から日本人の中に根付いている職人魂と近年のサブカルチャーが合わさって出現して来たものではないかと。
まずはロボットを例にとって説明します。
木製のロボット「からくり人形」は古く17世紀ぐらいから日本には存在して、職人さん達が魂こめて作ってました。
そして20世紀。鉄腕アトムやガンダムを見た少年達はアニメに刺激を受けて、エンジニアになる人も。
そうして出て来たのがHONDAのASIMOやSONYのAIBOなどの和製ロボット達なのではないか。
もちろんこれだけで説明できるわけではありませんが、
アニメやその他サブカルチャーの与える影響が大きいのではないかという視点で語ってみました。
では、その仮説をDTM(デスクトップミュージック)にあてはめてみます。
YAMAHAやクリプトンフューチャーメディアといった会社は長年、音/音楽のエキスパート企業でした。
しかし、この2社が共同で製作したDTMソフト「
初音ミク」は、かわいい女の子のキャラクターを採用。
また、有名なアニメ声優の声を起用し、ユーザーは音階と歌詞を入力することでこの女の子を歌わせることができるようになりました。
初音ミクは大ブレイク。クリプトン社は2007年に「サウンド関連ソフト」部門で27%の市場シェアを獲得。
初音ミクはクリエイター達にたくさんのインスピレーションを与え、沢山の作品が作られ始めました。
ここで初音ミクがどんなものなのか実感して頂くために、少しだけ「メルト」を聞いて頂きました。
ポイントは、この歌は人が歌っているのではなく、音楽ソフトが歌っているということ。
初音ミクを使った音楽はヒットチャートにも。
3月4日のオリコンデイリーチャートでは、初音ミクが歌うアルバム「Super Cell」が
3位以下の有名アーティストを押さえて第2位に。
Twitterでは観客の方から驚きの声が。。。
初音ミクを使った音楽は次々とアップされていきます。
そして初音ミクのパロディの絵もたくさんアップされていきます。
ここでのポイントは、クリプトン社はディズニー等のようにキャラクターを囲い込んでパロディを禁止するのではなく、
ファン達にどんどん二次創作を作ることを推奨したこと。
これにより、たくさんの作品が作られ、コミュニティはどんどん広がったのです。
初音ミクの動画も、3Dの物や非常に高いクオリティの物がどんどん作られていきました。
ここで「私の時間」の3DPVを見て頂きました。
ポイントは、これらのクリエイターはお金をもらって作品を作っているのではなく、
あくまで好きだから作っているということ。
しかし、ソフトが高いこともあって、こういった3Dアニメは誰でも作れるわけではありませんでした。
ファンコミュニティがコンテンツだけでなく、ツールまで作り出してしまったのです!
このMikuMikuDanceというソフトによって、それまで3Dアニメなど作ったことがなかった人も作り始めるように。
ここでご覧頂いたのがVirtual Insanityの動画。会場からは驚きの声が。
MikuMikuDanceを使った作品が多く作られるにつれ、ユーザの中から
コンテストをやろうという声が。
クリプトン等の企業がコンテストを開催するのではなく、ユーザが主催するコンテストが、開催されたのです。
さて、こんなムーブメントを支えて来たのが「
ニコニコ動画」という動画共有サイト。
YouTubeのような動画共有サイトなのですが、動画にコメント文字をオーバーレイでき、
コメント同士で非同期コミュニケーションを行うことができるのが特徴です。
通常はこのように白い文字で一行のコメントを書くような形になります。
ところがニコニコ動画のユーザ達はコメント機能を使ってこのように色々な遊び方をして、
コメントでアートを作ったりしています。
日本では何百年も前から文字で絵を描く「へのへのもへじ」があったり、
デジタルになってからは「アスキーアート」が出て来たりしているので以前からあるものではありますが、
動画ではこのようにタイミングを合わせるのは「職人技」が必要になります。
ちょっと古いデータですが、ニコニコ動画のスティッキネス(中毒性)が伺えるデータがこちら。
ニコニコ動画は、平均訪問数と平均利用時間でYouTubeを大きく引き離しています。
更に一説によると日本のネットトラフィックの1/12がニコニコ動画だとか。
これには会場からも驚きの声が。
さて、ここで重要なのは、「コミュニティ」。
技術だけだったら、コメントをオーバーレイするニコニコ動画のコピーサービスはたくさん出現していました。
成功しているのは、ニコニコ動画だけ。
なぜかというと、面白いコンテンツを作ったり、楽しんだりできるコミュニティがあるから。
部門は「デジタルコミュニティ部門」だったのです。
面白い物を作る人たちがコミュニティとして集まっているのがニコニコ動画の強み。
その面白い人たちは、面白くないツールを渡しても面白い物を作っちゃう。
一例として、皆さんご存知Microsoft Excelのマクロを使ってニコニコのユーザが作っちゃったアニメ動画を紹介。
左上がおなじみエクセルのシート。それを使ったアニメ、そしてソースコードで構成された動画です。
この動画はアルスエレクトロニカで見せた時も一番食いつかれましたがこちらでも
「なんだって?アニメを作っちゃうエクセルマクロだって!」と驚きの声が :)
ニコニコ動画のもう一つの特徴は、動画につけるタグを誰でもつけられること。
YouTubeでは自分がアップした動画にタグをつけるわけですが、ニコニコ動画では人の動画にもタグがつけられます。
こうして、技術的な動画がアップされると、「
ニコニコ技術部」というタグがつけられるように。
「ニコニコ技術部」という集団が元々存在していたわけではないのですが、
次第にコミュニティ化していき、イベントが設けられたり、wikiページが設けられたりしていきました。
そして、O'reilly社が開催しているMaker Faireに似た、O'reilly Japan主催のMake Tokyo Meetingというイベントで
ニコニコ技術部は数々の作品を出展し、注目を集めました。
さて、このニコニコ技術部が現在何に熱中しているかというと、楽器作りなのです。
発端になったのはこちらの動画。
「ニコニコ技術部の誰か、これを作ってくれませんか?」という呼びかけに答えるようにして、
数々の作品が作られていっています。
ディスプレイパネルを使ったバージョン、NintendoDSバージョン、wiiバージョン、
iPhoneバージョン、そしてARバージョンなどなど。。。
この中でARバージョンの動画をご覧頂こうと思うのですが、その前にARとは何か知らない人のために一言解説。
AR(Augmented Reality)とは、メガネをかけずに見ると、左の絵のようなマークが見えるのですが
メガネを通して見ると真ん中の絵のように現実世界にオーバーレイしてバーチャルな映像が見えるというもの。
ではさっそく動画をどうぞ。
最初は肉眼という想定で何も見えず、途中からARの楽器が見えるようになります。
さて、冒頭の仮説にまたこのARをあてはめてみると、AR自体はもうずっと前から存在する技術です。
ところがあくまでアカデミックの世界であって、我々の身近にはきていなかった。
しかし、ISMARというMixed Realityのカンファレンスの映像を見た磯監督が
「これだ!」と思って「
電脳コイル」というアニメを制作。
「電脳コイル」では、メガネをかけたときだけ見えるペットがいたりオブジェクトが見えたりという世界観を表現。
これが若者達のインスピレーションを更にくすぐり、色々な物がでてきました。
こちらはARで初音ミクが「ウマウマダンス」を踊る動画。
そして、電脳フィギュア「
ARis」が発売されました。
ARisは物理的は箱と棒なのですが、金額は約100ドルで発売され、3000個の初期ロットがすぐに完売したらしい。
ARを使った活動は動画の世界だけではありません。
電脳メガネをかけている人だけに見える「星」がこの地図上のところにばらまかれ、
それを参加者が集めにいくというもの。
アニメ/音楽/ファッションが融合するイベント。
動画をバックで流しながらQAに入りました。
ちなみにこの画像の説明し損ねちゃった(><)
動画の中で目立っていたミクコスプレの腕の光るパネルの裏側はこんななんです!
単なるコスプレを超えている。。。
今回の講演では、単にオンラインの活動だけではなく、
リアルワールドへのインパクトも見せていきたいと考えていたのですが伝わっていればいいな。
*****Feedback*****
どんなフィードバックがあったか教えて!という人も多くいたので、ここで公開しておきます。
- 一番多かったのが「"demystify”っていうタイトルには偽りありだね。ますます謎が深まって、ますます知りたくなったよ!」というもの。。。(苦笑)
- Maker Faireの責任者の人:あの面白い物を作っている人たち(ニコニコ技術部ですね!?)
5/30-31のMaker Faire に来てくれないかなあ? >いかがでしょうか?ニコニコ技術部の皆様!
- 某有名会社CTO:ARって初めて知ったんだけど、今までで一番僕をわくわくさせる技術かもしれない。あのメガネはどこで買えるのかな?ARisはさっそく買いたいね!
- 次から次へと面白い物が出て来て、今までで一番面白かったわよ!(ふ:ありがとう!内容、ギーク過ぎなかった?)何言ってんの、ギークな程いいのよ!(いいオーディエンスだ。。。しかしこれは他では無理だな。。。)
- ASIMOのエンジニアがアニメを見てロボットを作りたいと思ったと言っているのを聞いたことがあるよ。君は正しい。ただ、僕は日本の関西で教えているのだけれど、うちの生徒達がそんなに携帯を使っているとも思えないし、そんなにアニメ好きだとも思えないけどね。地域差があるんじゃないの?(ふ:地域差はたしかにあると思います。電脳スターラリーやDENPAみたいなイベントは東京だからできるのかも。携帯は地方の若い子達にすごく使われてるらしいですよ。映画館も少ないし、他に娯楽が少ないからだと言われてます。)
- 君たちはこれが変わってると思っているかもしれないけど、僕に別に変わってるとは思わないな!
- 今回の講演ではフェミニズムについて触れるべきだったと思うよ。特にあのARisの映像とか。。。
- 日本のサブカルチャーには第二次世界大戦で負けたことが影響してるんじゃないの?
- なんで初音ミクばっかり出したの?
。。。という感じでしょうか。思い出したらまた追記します♪
*****videos*****
今回紹介した動画を下記に加えておきます。
講演では、時間の都合でちょっとずつ見せられなかったので。。。
初音ミクの紹介:「メルト」
3DPVの紹介:「私の時間3DPV」
MikuMikuDanceの紹介:「Virtual Insanity」
ニコニコの職人さんの紹介:「エクセルでひぐらしのなく頃に解OP」
ニコニコ技術部の紹介:「Innocence」
ニコニコ技術部/ARの紹介:「タブレットとARToolKitであの楽器」
ARの紹介:「ARToolKitで初音ミクも『ウッーウッーウマウマ(゚∀゚) 』」
ARの紹介:「【ITmediaNews】電脳メイドさんをツンツン」
*****Make*****
最後にもう一点!
●上記でも紹介していたMake: Tokyo Meeting、次回は5月23日(土)、24 日(日)に
●Maker Faireは米国のサンマテオで5月30日(土)、31日(日)に開催されるそうです。