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今回、アルスエレクトロニカで、藤木淳さんとお会いすることができました!
お忙しい中お時間をとってくださった藤木さん、ありがとうございました。紹介してくださったYuichirockさん、ありがとうございました!!
藤木淳さんは、NHKのデジスタ、文化庁メディア芸術祭ほか数々の賞を受賞されている非常にすばらしいクリエイターさんで、今回のアルスエレクトロニカでは「Extended Cognitive Tools」という作品でインタラクティブアート部門のhonorary mentionsの受賞をされています。
我々の眼に見える「見た目」と「実際」のギャップ、2次元と3次元のギャップを使った、非常に面白い作品です。Incompatible BLOCK , OLE Coordinate System , Constellation という3つの作品から成ります。だまし絵が好きな方は必見です!!
藤木さんの特許や受賞歴等はこちらからご覧いただけますが、中でも有名なのはソニー・コンピュータエンタテインメントのPSPのソフト『無限回廊』。
アーチストとして活躍している方は多いですが、それをプロダクトまで落とし込める人、そしてヒット商品を育て上げられる人は少ない。「アート」と「商品」としての設計はまた異なりますし、アーチストとしての役割と製造/販売など様々な役割/工程で関わる人と全体が調和してこその「商品」です。
藤木さんのお話は非常に面白かったのですが、中でも印象に残った言葉が「できないことをやる」ということ。
きっと意味はいろいろあると思います。
他の人にはできないことをやるという差別化の意味もあるかもしれないし、
今の自分には「できない」ことをストレッチしてやることで自分を成長させるという意味もあるかもしれないし、
本当はできないことを作って観客をあっと驚かせたりということかもしれないし。
何度もこの記事に戻って申し訳ないのですが、南條さんも奥山さんもみんな「驚きが必要」とその重要性を説いている中、藤木さんの作品にはいつも「驚き」がある。その源は、いつも藤木さんが「できないことをやる」精神でチャレンジし続けているからかなあと思いました。
数年前に明和電気の土佐社長の、ナンセンスプロダクトデザインワークショップを受けたときに、第一日目にやったのが発想法。
まずは朝起きてから今までに触ったものを全部書き出す。20個ぐらいだったかな?
で、全部に「おかしな」をつける。「おかしなまくら」「おかしな時計」「おかしなパソコン」「おかしなトイレ」。。。
次にそれぞれどんなものかを書く。「おかしなまくら」っていうのはツンツンしていてその上で眠れないようなまくら?
次に、「ツンツンしていてその上で眠れないようなまくら(おかしなまくら)」と「逆流時計(おかしな時計)」を合わせたらどんな物ができるか、以降どんどん書く。
最後にはそれで一個のおかしなものができあがるので、それの絵を描く。
それはもう変わったものばかり描き上がってきて、「できないもの」で「驚きのある」ものが出てくるわけで、それをプロダクトとしてデザインして、チームで制作して、最後の日にはプレゼンをするというワークショップだったのでした。書いてていきなり思い出した。
「アートで終わるのではなく、どうやったらプロダクトにできるか考えろ」というのも土佐さんの教えの一つでした。明和電気はそれがめちゃめちゃうまい。
明和電気で有名な魚の骨の形をした電源コード「魚コード」は、アート作品は固いけれどそのまま売ったら怪我をされちゃうので柔らかくして、強度を上げて、パッケージングを考えて、とか。今回のアルスでは、Reactableの人たちも今は手で作っているので、今後のプロダクト化のところでどうしようかなあとおっしゃっていました。このアートから商品化の大きな一歩というのは、今後の鍵になりそうな気がします。。。と脱線しまくりサーセンエントリーでした。
ちなみに無限回廊はリンツのゲームソフト屋さんでも販売されていたそうです!
Ars Electronica 2008の interactive art部門のゴールデンニカは、Julius von Bismarckさんの『Image Fulgurator』という作品が受賞しました。
www.juliusvonbismarck.com/fulgurator
周りに写真を撮影する人がいたら、その人のフラッシュに合わせて、映像を投影するという作品です。肉眼にはほぼ見えませんが、撮影された写真を見ると驚きの画像が浮かび上がります。
この作品は記憶の改ざんのようなもの。
写真とは過去の記憶のようなもの。人は旅行に行けばスナップ写真を撮り、イベントに行けばスナップ写真を撮り、後で自分が肉眼で見たものを、写真という形で思い出します。
Image Fulguratorで映し出す画像は肉眼ではほとんど見えないので、自分が肉眼で見たものと、後で写真で見るものは異なるわけで、「記憶の改ざん」のようなものであるといえましょう。
Image Fulguratorの図面。
撮影風景はこんな感じ。
。。。そしていよいよ。
ベルリンのブランデンブルク門にGoogleのロゴが!
演説中のObamaに、後光がさして、すばらしい情景だったらしい。
そこで。。。演壇に十字架が!
天安門広場の毛沢東の肖像画に、マグリッドの絵からモチーフを得た鳩が!
スピーチの現場でも、オーディエンスの一人のシャツに鳩を投影するデモをやってくれました。
Julius von Bismarckさんの受賞記念スピーチの一部を動画にしました。
なお、こちらの記事に書いた、南條さんのお言葉の多くがこのImage Fulguratorにあてはまります。
アートは、彫刻と絵画のことではない。色々な形がある。
アートは、驚きである。
アートは、coolである。
アー トは、批判精神である。
アートは、時に破壊的である。
アートは、ITも使う。
アートは、哲学である。メッセージ性が大事。
アートは、物の見方である。
今年もアルスエレクトロニカ@Linzに来ています。
(今回は、アーチストではなく、夏季休暇利用です。)
今年のテーマは「A New Cultural Economy」。著作権や知的財産権の考え方が限界に来て、共有/オープンアクセスの経済(Economy of Sharing and Open Access)が発達して来ている現在、ユーザ、アーチスト、ビジネス、政治家や学者はどのようにこの新しい動きと向き合うべきかを考えるのがテーマとなっています。
色々なシンポジウムや展示があるので、それらについてはまた別途時間があるときにブログを書きたいと思っているのですが、
どうしてもこれからリンツに来る/来た人に見てほしいものがあるので取り急ぎ書きます。
A New Cultural Advertising Projectというプロジェクトがあります。これは、小川さんを始めとするh.oのメンバーと電通さんでやっている実験プロジェクトです。
小川さんのインタビュービデオは撮影したので別途アップしますが、とりあえず解説だけ:
広告のあり方について考える時に、企業が作る広告というのは企業側のイメージでコピーライターがコピーライティングをして作成します。しかし、それが必ずしもその企業を本当に象徴するコピーなのかはわからない。実はユーザの見方は違うのかもしれない。
では、「アルスエレクトロニカ」というブランドを例として考えた時に、人々はどのようなイメージ/考えをもっているかをどうやって知るか。その1つの解への実験として、A New Cultural Advertising Projectは始められました。
アルスエレクトロニカのサイト訪問者がどのような単語で検索をしてきているのかをリアルタイムに把握し、今年のアルスエレクトロニカのテーマ「A New Cultural Economy」の「Cultural」や「Economy」の部分を書き換えてしまう。
installation的には、スクリーンの前に立ってモンスターに単語を食わせちゃう。
そして、出て来た単語をあてはめちゃう。
A new Cultural FreestyleやA New Cultural Austriaなど、色々なキャッチコピーが出来てきます。そして、それをスティッカーやTシャツなどのオフィシャルグッズ、町中に貼られた垂れ幕などにはめていく。
通常、Nikeなら"Just Do It"とかのキャッチフレーズにあたる物を、いきなりユーザの検索ワードで置き換えちゃっているので、A New Cultural Sexとかも入って来てたりします。でも、全部出す。スクリーニングなし。
検索ワードは、めちゃくちゃに見えて実はちゃんと理由があってそういったワードで検索されているというのがアルスの歴史を知る人からするとあるそうで、出てくるワードを眺めながら色々考えてみたりします。
会場に来てまず向かう先のInfodeskの横のスクリーンにも、どんどん変わっていく「A New Cultural XX」や「A New XX Economy」が見えます。
ステッカーもバラバラ。
オフィシャルTシャツもばらばらです。
小川さんはご自分の名前Hideを発見。
また、新しい広告のあり方を考えるという意味では、Consumer Generated コピーという感じのこの試みを、プロのコピーライターとたくさん仕事をしておられる電通さんがやっているというのも面白い。
というわけで、アルスにいらしている方は是非色々なスローガンに注目してみてください。
ピンクの地に白い文字という色使いが印象的で目に入る為、文字の違いに最初は気づかないかもしれませんが、至る所に色々なかわったスローガンが貼られています :)
